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【2026年版】スプレー缶「穴あけ」全国実態調査|874自治体・指示は今も真逆
スプレー缶を捨てるとき穴を開けるのか。全国874自治体の公式情報を集計すると、明記のある自治体の6割が「開けない」、4割が「開ける」と真逆の指示でした。環境省が2018年に「穴開けをしない方向」を通知した後も残る地域差を、都道府県別・政令市別に公開します。
全国ごみ捨て解決事典 調査レポート(調査時点: 2026年9月)
「スプレー缶は穴を開けてから捨てる」と教わった人は多いはずです。ところが今、自治体の指示は真逆に割れています。当サイトが収録する全国の自治体公式情報のうち、スプレー缶(エアゾール缶・カセットボンベ)の出し方を確認できた874自治体(政令市の区は市に含む)について、「穴あけ」の指示を集計しました。数値はすべて各自治体の公式サイト・公式資料が出典です。
調査サマリー(主な発見)
- 出し方に穴あけの明記があった151自治体のうち、「穴を開けない」93自治体(62%)/「穴を開ける」58自治体(38%)。安全に直結する指示が、いまも6対4で真逆
- 残る723自治体は穴あけに触れていない。「使い切って出す」とだけ書く自治体が大半で、住民が旧来の「穴を開ける」習慣のまま出しているケースが相当数あると推測される
- 「開けない」派は政令市・大都市に集中。札幌市・仙台市・さいたま市・千葉市・横浜市・川崎市・新潟市・名古屋市・京都市・大阪市・堺市・広島市・北九州市はいずれも「穴を開けない」と明記
- 「開ける」派は同じ愛知県内でも隣り合う。名古屋市が「穴あけ不要」なのに対し、豊田市・豊明市・みよし市・津島市・武豊町は「穴を開ける」と明記
- 分別区分そのものも割れる。874自治体の主区分は**有害・危険ごみ系51%、不燃ごみ系23%、資源ごみ23%**で、区分名は60種類
なぜ「開けない」が国の方針なのか
環境省は2018年12月27日付の通知「廃エアゾール製品等の排出時の事故防止について」(環循適発第1812271号)で、都道府県を通じて市区町村に次の趣旨を伝えています。
- 2018年12月16日に札幌市で、大量のエアゾール製品の内容物を屋内で噴射したことが原因とみられる爆発火災事故が発生した
- ごみ収集車や破砕施設での事故防止のため住民に穴開けを指導している市区町村があるが、充填物の残った缶に不適切な方法で穴を開けると火災が発生するおそれがある
- 以前から「排出時に穴開けをしない方向が望ましい」と周知してきたが、2016年時点で穴開けを不要としている市区町村は27%にとどまる
- 東京消防庁管内では2008〜2017年の10年間に、穴開けが原因の火災が260件発生している
- 住民に穴開けを求めている市区町村は、穴を開けずに出させて処理する体制を整備するよう求める
当サイトの集計では、明記のある自治体のうち「開けない」が62%です。通知の「27%」から大きく進んだ一方、明記しない自治体が8割超あり、そこでは住民が自己判断で穴を開けている可能性があります。
都道府県別の指示(明記のある自治体のみ)
同じ県の中でも指示が割れているのがこの品目の特徴です。明記のある自治体が4件以上ある都道府県を示します。
| 都道府県 | 穴を開けない | 穴を開ける |
|---|---|---|
| 愛知県 | 20 | 6 |
| 東京都 | 18 | 2 |
| 千葉県 | 8 | 1 |
| 埼玉県 | 7 | 1 |
| 大阪府 | 5 | 2 |
| 神奈川県 | 5 | 1 |
| 北海道 | 4 | 2 |
| 奈良県 | 3 | 2 |
| 宮城県 | 3 | 1 |
| 山形県 | 3 | 1 |
| 福岡県 | 2 | 3 |
| 秋田県 | 2 | 2 |
| 青森県 | 0 | 4 |
福岡県・秋田県は「開ける」が「開けない」と同数以上、青森県は明記のある4自治体すべてが「開ける」です。東北・北陸の市町村に「開ける」指示が残る傾向があります。
「穴を開ける」と明記している自治体の例
いずれも公式ページに「穴を開ける」旨の記載があり、当サイトの自治体ページから原文の出典に辿れます。
- いわき市(福島県) — 「中身を使い切り穴を開ける」
- 八幡平市(岩手県) — 「中身を完全に使い切り、穴をあけてガスを抜く」
- 中泊町(青森県) — 「中身を使い切り、穴をあけて不燃物として出す」
- 加賀市(石川県) — 「中身を使い切り穴をあけること」
- 坂井市(福井県) — 「中身は使い切って穴を開ける」
- 豊田市(愛知県) — 「必ず使い切ってから穴を開けてください」「室内で穴を開けないでください」
- みよし市(愛知県) — 「風通しの良い場所で穴をあけて出す」
- 三木市(兵庫県) — 「穴を開けてから、あらごみとして出してください」。穴あけが困難な人は清掃センターへ直接搬入
「開ける」派の自治体は、風通しの良い屋外で・火気のない場所で・使い切ってからという条件をほぼ必ず付けています。指示に従う場合も、室内や火気の近くで作業しないことが前提です。
「穴を開けない」と明記している自治体の例
- 札幌市 — 「穴を開ける必要はありません」
- 仙台市 — 「穴を開けてはいけません」
- 千葉市 — 「穴あけは不要です」。使い切れない場合は3本程度まで「残量あり」の貼り紙をして出せる
- 横浜市 — 「穴を開ける必要はありません」。スプレー缶だけを透明・半透明の袋にまとめる
- 名古屋市 — 「穴あけは不要です」。発火性危険物の収集日に出す
- 京都市 — 「ガス抜きの穴開けは不要」
- 大阪市 — 「穴をあけないでください(火災・破裂の危険があります)」
- 北九州市 — 「爆発・引火の危険があるため穴を開けないでください」
読者へのおすすめ
- まず自分の市の指示を確認する。スプレー缶の全国ガイドの「あなたの市区町村では?」に市名を入れると、その自治体のページに移動できます
- 市が「開けない」と明記しているなら絶対に開けない。中身は火気のない屋外でガス抜きキャップから出し切る
- 市が「開ける」と明記しているなら、使い切った後・屋外・火気なしの3条件を守る。不安なら清掃センターへの持ち込みや拠点回収を使う
- 市が何も書いていないなら、環境省の方針に沿って開けずに使い切って出すのが安全側
調査方法
- 対象: 当サイトが自治体公式情報から収録した874自治体のスプレー缶(エアゾール缶・カセットボンベ)の出し方。政令市の区は市に含めた
- 判定: 出し方の手順・注意書きの原文に「穴を開けない/あけずに/不要/禁止」等の表現があれば「開けない」、「穴を開ける/あけて/開け、」等があれば「開ける」と分類。「室内で穴を開けないでください」のように場所の注意のみの場合は「開ける」側に含めた。どちらの表現もない自治体は「明記なし」
- 分別区分の集計は各自治体の先頭区分を採用し、当サイトの区分ファミリー(有害・危険/不燃/資源 等)に正規化
- 判定は機械的な文字列照合のため、表現の揺れによる誤分類が数件含まれる可能性がある。個別の自治体の扱いは必ずリンク先の公式情報で確認してほしい
関連ガイド
出典: 環境省「廃エアゾール製品等の排出時の事故防止について(通知)」(環循適発第1812271号、2018年12月27日)、環境省「廃エアゾール製品・カセットボンベの処理」、各自治体公式サイト(各リンク先の自治体ページに出典URLを掲載)